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下町ロケット 第1話 原作の表現【正義と法律は違う銀行論理】 [TVドラマ]

【白水銀行】

ぶっきりぼうな口調で「ちょっとこういうのマズいんじゃないですか?」
プレス発表で、ナカシマ工業が佃製作所を特許侵害で訴えた事を盾にとり
「信義則違反」じゃないか。と白水銀行の柳井はぶっきらぼうな口調で言
ってきた。

柳井は容赦ない口調で「佃製作所は大丈夫かって、支店長もひどく気にし
ていましてね。こういうの、困るんですよね」

電話の向こうから伝わってくるのは、佃に対するあからさまな不信感だ。

“支店長”というところを一段と強調している。

このような人間は組織の中に多くいますね。
自分は貴社のために動いているけど上司は消極的だ、
そのような判断をしていない。・・・と自分ではなく
上司命令だから仕方がない。と言う典型的な命令指示型人間は多い。

実際にその上司の判断だったかは解らないのだ。

場面は支店長室である。支店長の根本は不機嫌な顔で言った。
「開発費にかなり突っ込んでますなあ。
挙げ句、開発したエンジンが訴訟対象になるとはね・・」

と、佃製作所のマイナスイメージを並べて
「そもそも会社の存続そのものが無理なわけで・・」と完全に
融資を断る嫌味な言い方だ。

このような銀行支店長が多いのも事実ですね。
私の経験でも会社業績が良い時こそ、いろいろな金融商品を
紹介しながら融資します。融資します。
と積極的に言ってくるが、ひとたび業績が悪化すると貸しはがし
をする。そんなひどい時期もありました。

(天気の良い日は傘を貸す。雨が降れば傘は貸さない)

銀行と言う組織は、いや大組織体質が人間を変えるのでしょうね。

池井戸潤は、この章でこう書いている。
世間に名の知れている上場企業(大組織)の看板は、それだけで
絶対的な信用がある。

いくら中小企業が背伸びしたところで、こと社会的信用という観点
からそれに対抗することは難しい、と。
いかにも元銀行マンの経験的表現である。

佃は
「おたくとウチとの取引はおおかた二十年にもなるんですよ、支店長!」

しかし、支店長は融資はビジネスです。
と佃の目を見据えるように言った。

佃は殿村にいった。
「保身を考えている人間の気持ちを変えるのは難しいさ」

こんな経験をしたのは、実はこれが初めてではない。
かつてロケット発射失敗によって、エンジン開発として責任を
取らされて佃は研究所内での居場所を失った。

「もう白水銀行は、当てにはできない、
他の銀行では借りられないか?」と殿村に言った。
だが銀行業界は主力銀行が救済するものという不文律が
あると殿村は言う。右へならへの業界である。

そこで殿村は佃に定期預金の取り崩しを提案した。
佃は定期預金を崩すという発想はなかったのだ、
どうなるのか、崩すことはできるのか・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
池井戸潤らしい銀行内部の表現ですね。でもチョット専門的
なのか?TVでは違った演出をしています。
原作をどのように演出しているか?そんなことを思いながら
観るのも池井戸潤の小説の面白さです。






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