下町ロケットの第１話、 娘のキャストに土屋太鳳さん。

【佃の娘役は土屋太鳳】

佃は母と長女の三人暮らしです。離婚した妻は研究者として活躍しています。
娘の名前は「利菜」。
父にことあるごとに反発する役で、朝ドラでの好演が記憶に新しい若手女優
の代表格「土屋太鳳」が中高校生の役を演じています。

【定期預金の取り崩し】

さて、殿村は佃に定期預金の取り崩しを提案しました。

佃は定期預金を崩すという発想はありませんでした。それは、定期預金は
銀行融資の担保みたいなもので入れたら最後、崩して遣うことはできないと
思い込んでいました。






睨み預金（にらみ）である。

睨み預金とは、拘束預金としての処置はとらないが「実質的」には拘束を
かけており、銀行に債務がある預金者が引き出せない状態にある被担保預金
を言います。

しかし、殿村は「もうそんな時代じゃないです。金融庁もそういうのを禁止
しています」

ここが、ポイントですよね。
このような状況の中小企業の経営者の方も多いと思いますので、この小説の
この場面はドラマでは演出していません
が、やはり池井戸潤さんが読んでもらいたいと思う場面ですね。

実質的な担保。この「実質的」と言うのがミソです。この場合、預金解約を
申し込むと担保を要求してきます。

【殿村の決断】


殿村はきっぱりと、入担は断ります。と言います。しかし彼みたいな
銀行マンなら裏を知っているので断ることもできますが、一般の経営者なら
受け入れてしまいます。

ここは力関係になります。私の経験では取り崩すことは不可能でした。
特に国が禁止している（ここでは金融庁）ことは専門家でなければ町の中小
企業では解りません。

佃は、でも殿村さんの立場が悪くなるぞ、銀行には戻れないかも
しれないぞ。と心配しますが、殿村は、「ここで雇ってくれるんでしょう、社長？」
と唐突に言います。

「私は元銀行員ですが、今は佃製作所の社員です」と。
社長業をしている方はここに感動するのではないでしょうか。

佃はじんときました。
そして、定期を崩して会社はどのくらい保つかな。と聞き、１年です。と殿村は応え
ました。それが長いのか、短いのかこの時点では判断できません。

【経営燃料は１年】


１年で燃料が切れます。それまで次の燃料給油時点に到着していなければ落下して
しまうことです。墜落です。あの時のセイレーンと同じで、そのためにはまず訴訟
を乗り切らねばなりません。

まさにこれからが正念場である。

セイレーンと同じように海の藻屑と消えてしまうのか、再び、成長軌道に乗ることが
できるのか。これからが正念場だ。

【佃の家族】

さて、些細なことで親子喧嘩になってしまう父と娘。そんな日常生活に佃の母は
「かっかしなさんな」と、キッチンに立ちながら、佃をなだめます。

「そういう年頃なのよ。なんでもおやじに反抗するの。そんなときはなにいって
もだめなのよ。私もそういうときがあったわ」と息子に優しい言葉をかけます。

佃の母の和江役には「賠償美津子」さん。


【佃の元妻役は真野ミキさん】

母は、「そういえばさっき沙耶さんから電話があったよ」と言った。
沙耶は佃の別れた妻だ。「真野ミキ」が演じます。

沙耶が佃の家を出たのは、佃が家業を継いだ翌年のことでした。
同じ研究者として、また妻として沙耶は刺激的で、いつも魅力的な存在でした。
妻は佃が研究者をやめることが許せなかった。
順調だったふたりの関係に、すきま風が吹き始めた瞬間が訪れました。

夫婦の関係もいろいろありますが共通する目標がある夫婦は絆が強いですね。
ただその糸が切れた瞬間はどちらかが飛んでしまう。それも現実です。
佃夫婦はそんな状況だったのかもしれません。

上昇志向のかたまりで、妥協が許せない性格の沙耶、彼女は中小企業
の経営者になったパートナーは現実主義者に転落した落伍者に見えたの
だと思います。


【弁護士】

久しぶりの彼女の声は仕事相手とでも話すように、はきはきしていました。
「ナカシマ工業に訴えられたの」「弁護士に困っているなら、紹介するよ」
知的専門の凄腕。田村・大川法律事務所出身の弁護士を知っているとの話です。

ナカシマ工業の金儲け主義に加担する事務所の方針と対立して独立した弁護士です。

しかし佃は「生憎、ウチにも弁護士はいるので」と断りました。
この沙耶が紹介してくれる弁護士が佃製作所の力になるとはこの時点ではわから
なかったのです。

彼女は「利菜によろしく。今度の土曜日に一緒に買い物に行くからと言い、
電話は切れました」

佃はいつこの弁護士に相談するのか？顧問弁護士との関係はどうなるのかこの判断は
世の経営者には大変参考になります。


さあ、あなたならどうしますか？